高校でもまた、私は学ぶ環境が待っていた。
高校では硬式テニス部に所属した。本校テニス部は中学時代とは打って変わって弱小校であった。そして、県内のテニス部の強さは学力と比例関係にあり、私の高校は頭も良い学校ではなかったので、相応の弱さだったのである。
高校のテニス部の顧問は全くやる気がなかったので、生徒同士で教え合うという形式であった。というかほぼ練習メニューも考えず、ただ打っているだけの練習であり、これでうまくなるはずはない。そんな環境であった。
その状況が変わりだしたのは高校2年生の時である。当時1つ上の先輩で飛び抜けてうまい先輩が現れ、その人と一緒に練習メニューを考えるようになったのである。先輩が引退した後も私は副部長として部長とともに練習メニューを考えた。
どこを狙うにはどのような練習をするべきか、自分の弱点は何か、どういう戦略があるのか、ひたすらテニス雑誌を読み漁り、指導者兼プレーヤーとしての日々が続いた。
そうするといつの間にか結果が出るようになってきた。
高学歴高校=テニス強豪校 という呪縛から解放されたのである。
結論、高学歴高校が強いのは、頭を使っているからであることが分かり、頭の使い方のコツが分かれば、あとはどれだけ真剣に取り組んだかという努力勝負に持っていける。
それによって、地区大会レベルではあるが優勝をするなど、相応の成績を収めることができた。
ただ、1つ問題があったのは、そのように成績を残せたのは私と部長のみで、そこから下は全くついてこれなかった。
意図を分かって練習をしている私と部長。それに対して言われたことをやっている部員。
ここに大きな実力の差が生まれてしまったのである。
プレーヤーはできるが、指導者はまた別の考え方が必要であることを思い知ったことも大きく印象に残っている。